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ゲーム、映画、漫画、配信などの感想を雑多に書いています。

パプリカの感想

パプリカ [Blu-ray]

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Netflix→スタンダードプラン:2021年2月12日時点で月額1490円(税込)

https://www.netflix.com/jp/title/70065105

 

本当に、大好きな映画です。

何回も観ましたし、原作も読んだので

この映画の魅力を私の文章力で伝えられるのか、少し緊張すらしています笑

最後に観たのは少し前なので、うろ覚えな部分もありますが…。

 

主人公は千葉敦子で、その別人格はパプリカという夢探偵です。

パプリカはとにかく自由奔放で、明るくさばさばとした女性キャラクターです。

その性格は本体である千葉敦子と対比して描かれているようで面白く、

(敦子のこうありたかった、という願望がパプリカに反映されているとも言えますが)

半ば神経質な敦子に対して、あちこちを軽やかに飛び回る

パプリカにはすごく魅力を感じます。

けれど敦子の存在がなければ、パプリカがあまりにもおてんばなので

観ていて食傷気味になっていたかもしれません。

そういう意味でも、パプリカと敦子のバランスは非常に良いです。

 

美人なヒロインは格好良いヒーローと恋に落ちる、というのは定番ですが、

その点においても、この映画のストーリーは素晴らしいです。

恋愛がメインの映画ではありませんが、敦子の周囲の男性は

皆個性的で、敦子も見た目や容姿ではなく、一個人としての内面を見ているので

一人一人とどういった展開になるのかが気になります。

一見するとダンディーですが、時おり少年の頃に戻ったように

たどたどしくなる粉川刑事も、私の好きなキャラクターの一人です。

 

ちなみに、恋愛の結末についてですが、どうしてそうなったのかは

原作のほうが詳しく書いてあったような気がします。

 

この映画を観ていると夢と現実の境目がわからなくなり、

終始、カオスな雰囲気に包み込まれているようです。

特にパレードのシーンは圧巻で、視界がぐにゃりと歪んで

別世界にトリップしたような感覚を味わえます。

景色は明るいけれど不気味なテーマパークに迷い込んだような、不思議な感覚です。

平沢進さんの音楽もこの映画の特殊な雰囲気を増長させる

素晴らしい作品なので、ぜひよく聴いてみてください。

 

原作者はSF小説界の巨匠、筒井康隆さんです。

原作も面白く、分厚いですがテンポが良く、続きが気になって

ページをめくる手が止まらなくなります。

パプリカ以外の筒井康隆さんの作品も、小説の中では挑戦的なものもあり

小説ではなかなか味わえない斬新な感覚が面白く、おすすめです。

 

余談:私はこの映画がきっかけで今敏さんの映画が好きになり

作品を観続けていたのですが、2010年に亡くなりました。

亡くなる前に書いたブログの文章が胸に残るものだったので、

URLを掲載させていただきます。

 

http://konstone.s-kon.net/modules/notebook/archives/565

 

人の生死について何かを言うことは憚られますが、

夢みる機械」を観てみたかったです。

 

今回はここで終わります。

ご一読いただきありがとうございました。